本日,大阪の有志の弁護士で「男性の悩み商法被害110番」を行ないました。
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http://www.danseinayami110.org/
「男性の悩み商法被害」とはなんぞや?と疑問を持たれる方も多いかと思います。
今の世の中,「かっこいい容姿」や「健康な身体」を追求しようとする風潮が男女を問わずありまして,そういった価値観を追求する男性に答えるための商品販売やサービスの提供が普通に行なわれているように見えます。
たとえば,男性エステ,かつら,育毛術,包茎手術など。。。
ところが,そういった商品・サービスを受けるにあたり,トラブルが発生し,法律的な解決が必要な場合であっても,それがなかなか表面に出てくることは多くないのです。
そもそも,私がこのグループに入ったきっかけは,包茎手術にまつわるトラブルの相談を受けたことです。
「包茎手術」と聞くと,ちょっと引いてしまう人もいらっしゃるかも知れませんが,とても深刻な話しです。
本来,包茎手術の費用は,保険診療であれば1万円程度,自由診療であっても10万円程度でできるそうです(私も,つい最近まで知りませんでした。)。
問題なのは,雑誌に,「包茎手術15万円から」といった広告が掲載されているのを見て,包茎手術専門のクリニックへ行ったところ,高額の契約を締結させられた,というものです。
こんな具合です。
クリニックへ行くと,簡単な問診の後,当日早速手術をすることになります。
連れて行かれた診察台に寝かされ,ズボンをおろした状態になったところで,
包茎手術が失敗した写真を見せられて,「15万円だとこのように汚く仕上がる。きれいな仕上がりにするには,100万円かかる。」と言われたり,
「局部が弱っているので,このままでは手術をしても膿んでしまう。これを防ぐためにはコラーゲンを注入しないといけない」とか,
「コラーゲンの種類には200万円のものと120万円のものがあるが,120万円のものは責任を持てない」とか
「あなたの局部は,性病になりやすい。性病を防ぐ手術をするには,追加で70万円かかる。」とか
言われてオプション料金を追加されたりするのです。
これを聞くと当然不安に思うので,そのまま当該手術への同意書にサインさせられてしまうことになります。
もちろん,「包茎手術15万円から」という広告を見て来ているので,そんな大金を持っていません。
どうするかというと,信販会社のクレジット契約を結ばせたり,クリニックと関連している貸金業者からお金を借りさせたりします。
当然,クレジット手数料や利息として,さらに何十万円という費用がかかります。
何をいくらで契約するかは,基本的には当事者の自由とはいえ,このような状況で通常の10倍をはるかに超える手術代の契約を締結させるのは,問題があるのではないかと思います。
ちなみに,東京都消費者被害救済委員会でも,最近,同様の事例で,包茎手術契約を無効とし,適正な手術代金分だけ精算して解決したあっせん事例もあります。
↓↓↓ あっせん解決の事例(東京都の公式ホームページ)はこちら ↓↓↓
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2008/07/40i7o700.htm
にもかかわらず,自分が包茎手術をした,というのを他人に告白して相談するのは,相当な勇気がいります。
だから,きっと世の中にはこのような問題が多数あるにもかかわらず,顕在化しないのではないかと思います。
私が包茎手術に関する相談を受けた後で,先輩弁護士で包茎手術トラブルを扱ったことのある尾崎先生,岡田先生に相談をしたところ,「これはひどいね。」という話しになりました。
包茎手術だけではなく,増毛や結婚紹介サービスなどの事案でも,きっと同じような思いを抱いている男性の方々は少なくないと思います。
そんな方々を対象にして,また相談に乗りやすいよう,男性弁護士だけで弁護団を作ることにしたのです。
今日の110番では,日経新聞の記者の方も取材に来てくださいました。今後,こういった問題が社会的に関心が高くなっていくのではないかと思います。
また後日,何度か110番を行ないたいと考えています。それまでにも,電話やFAXによる相談は随時受け付けています。