弁護士の逮捕について思うこと
ロマンス詐欺の被害金回収を謳って非弁業者に名義貸しをしていた弁護士が、5月29日、弁護士法違反の容疑で大阪地検特捜部に逮捕されました。
容疑の詳細は報道のとおりで、弁護士資格のない広告業者に弁護士の名義を貸していたというものです。
また、ロマンス詐欺の被害救済は非常に困難であるのに、そのことを十分に説明しないまま高額の着手金を請求していたことも問題になっています。
実際、この弁護士は、詐欺に使われた口座名義人の調査や仮想通貨のブロックチェーンについては調査するものの、ほとんどが被害回復につながっていなかったそうです。
弁護士が受領した着手金の多くは、広告業者の元に行っていたはずで、ある意味この弁護士は食い物にされていたわけで、被害者的な側面もあります。
実はかなり昔のことですが、過払金返還請求事案が多くなり始めていた時期に、私も同種の業者に提携を持ちかけられたことがあります。
「過払金の計算事務は全て当社がやる」
「当社の事務職員をなにわ総合法律事務所に置かせて欲しい。ダメなら同じビルの部屋を借りるので、なにわ総合法律事務所の事務員ということにしておいて欲しい」
「報酬は当社と分けることになる。比率は後日相談させて下さい」
「とにかく儲かります」
かなり甘い言葉だったのですが、弁護士法違反であることは明らかだったので、すぐに断りました。
私のケースは、友人の弁護士からの相談でした。友人に悪いなと思いながらの断りでした。
逮捕された弁護士も、きっと信頼できる人からの相談だったのだろうと想像します。
当時、問題意識を持てなかったのか、ここまで大きく問題になることはないと思ったのか。
同じ弁護士として非常に残念な気持ちです。
この弁護士については、大阪地検や大阪弁護士会が適切な処分をすると思いますが、二次被害を受けてしまった消費者の方々をどう救済していくかについては、弁護士会で考えて行かなければならない問題となっています。
投稿者 吉岡 康博 | 2024年5月31日 17:06
