吉岡さんの弁護士日記

なにわ総合法律事務所の弁護士 吉岡 康博がつづる弁護士日記

レジデンシャル-ONE事件 その後

しばらくブログの更新をサボっていましたが,その間に弁護団として取り組んでいるレジデンシャル-ONEの裁判について進捗がありましたので,まとめてご報告いたします。

平成20年12月に提訴した第1次訴訟は,9月9日に口頭弁論が終結されまして,10月28日午後1時15分に判決が言渡される予定です。
弁護団としては,口頭弁論終結後も裁判所に資料や主張の書面を提出して,最後まで当方の主張を訴えていくようにしています。

第2次訴訟は,9月に3回に分けて証人尋問が行われ,高木証券の担当者と購入者である原告の話を聞きました。
こちらも11月25日に口頭弁論が終結となる予定で,判決は,来年以降になると思われます。

第3次から第5次までの訴訟についても,それぞれ進行しています。
今月中に第6次の集団訴訟を提訴する予定をしています。

ところで,現在,高木証券がレジデンシャル-ONEの購入者宅を回って,被害回復に関する話しをしているそうです。
購入者の方から聞いた話では,被害回復の方法として,裁判と調停があるが,裁判は時間と費用が掛かると言って,調停の方を勧めていると思われる営業員もいるようです。

高木証券側の説明によれば,事前に購入者と高木証券とで金額に合意できれば,高木証券が簡易裁判所に申立てをするので,購入者は,裁判所に来れば,調停が成立して,お金が支払われるというものです。

金融商品取引法で証券会社による損失補填に厳しい制限が課せられているので,このような手続を採るのでしょうが,いくつかの問題がありそうです。

まず,簡易裁判所は,当該紛争の内容を把握した上で,適切な調停を勧めることが仕事ですので,金額が本当に妥当なのかを審理するのに時間がかかるのではないかと思われます。
仮に両当事者が金額の合意をしていても,何度か審理のために簡易裁判所に足を運ぶ必要があるように思うのです。

もう一つは,高木証券が提示している金額が客観的に本当に妥当なのかということです。

既に高木証券から金額の提示を受けている方もいらっしゃるかと思いますが,調停手続を採るかどうかは,第1次訴訟の判決内容を見てからでも遅くないのではないでしょうか。

投稿者 吉岡 康博 | 2010年10月 8日 21:03

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吉岡 康博(よしおか やすひろ)
大阪弁護士会所属

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