金地金取引弁護団を立ち上げています
少し前に私が所属している消費者保護委員会の部会メンバーが有志で「金地金取引弁護団」を立ち上げました。
「金地金取引」というのはどのような取引かというと,契約上は,金の地金の売買契約になっており,25年間にわたって分割で代金を支払うことになっています(頭金の割合が大きい)。
そして,金地金の所有権は,25年後に代金を完済した時点で買主に移転することになっています。すなわち,全額を支払わない限り,金地金に対する権利を主張できないことになります。
問題なのは,このような契約条項を理解できない判断能力の低下した高齢者に対して,あたかも金地金を頭金相当額で一括払いで購入するかのように持ちかけて契約させることです。
その上,この取引を扱う業者は,田中貴金属工業や三菱マテリアルなどと違って,信用力もなく(問題になっている業者の資本金は300万円でした),25年後の代金完済時まで本当に営業を継続しているのか,甚だ疑問です。
要は,高齢者から代金を払えるだけ払わせて,いつの間にか会社がなくなっている可能性も高いのです。
弁護団では,この事件について近々提訴を予定していますが,みなさんのご家族や知人の方々がこのような業者に不当な勧誘を受けていないか,どうかご注意下さい!
投稿者 吉岡 康博 | 2012年4月10日 21:06