吉岡さんの弁護士日記

なにわ総合法律事務所の弁護士 吉岡 康博がつづる弁護士日記

訴訟の文章は難しい!?

先日,ある民事事件で裁判所に訴えを起こしたのですが,被告が韓国人で,数年前に出国していることが分かりました。

市役所に確認したところ,当時,外国人登録をした際に,本国の住所を申告していたようで,裁判所とも相談の上,韓国の住所地に宛てて裁判所から訴状を送達することになりました(これを外国送達といいます。訴えを受理した裁判所→最高裁判所→外務省ルートを経て,現地で送達するため,半年くらい時間が掛かるそうです。)。

外国送達するには,訴えを起こしたときに提出した書類を現地語に翻訳したものを提出する必要があります。

ここは韓国語を勉強している私の得意分野か!と思い,裁判所には「早急に翻訳文書を提出します!!」と張り切って回答しました。

ところが,後日,裁判所から「この文書も翻訳して下さい。」と言って,いくつかの文書を追加で渡されました。
こんなにたくさんの翻訳をしなければならないとはつゆ知らず,締切りは迫ってくるし。ひぇー。

それはそうと,裁判所から頂いたその文書は,民事訴訟を起こされた被告の人に向けて,「答弁書」という裁判で最初に被告が提出する書面の書き方や,弁護士への相談・依頼の方法が分かりやすく書かれたものです。

韓国語への翻訳をしていて感じたのですが,裁判所からいただいた書類は,非常に分かりやすく簡潔に書かれているので,翻訳しやすい反面,私が最初に作って提出した「訴状」という文書は,法律用語などを使って書かれていて,翻訳するには難解だと思いました。

巷では「裁判の文章は難しい。」「一般向けではない。」などと言われています。
私も普段はあまりよく考えないまま,裁判の文書を作っていましたが,これからはできるだけ分かりやすく書面を書くようにしようと感じたのでした。

投稿者 吉岡 康博 | 2011年3月 8日 19:42

プロフィール

吉岡康博写真

吉岡 康博(よしおか やすひろ)
大阪弁護士会所属

なにわ総合法律事務所
〒541-0053
大阪市中央区本町1-5-6 山甚ビル4階
TEL:06-4705-0325
FAX:06-4705-0328

テーマ
最近の記事