吉岡さんの弁護士日記

なにわ総合法律事務所の弁護士 吉岡 康博がつづる弁護士日記

「読書は1冊のノートにまとめなさい」を読みました

「読書は1冊のノートにまとめなさい(Nanaブックス,奥野宣之著)」を読みました。

この本は「『読みっぱなし』は読んでないのと一緒」という見出しから始まります。

読書量はそこそこあるはずなのに,よく考えると内容を記憶していない,とか,読書した当時は分かったつもりだったのに,後で考えると,どういう思考回路でそのような結論に至ったのか思い出せない,とか思ったことはありませんか。

私もその1人で,本棚にある本の量は自慢できても,頭の中の知識の量は自慢できないという状態でした。

この本は,「インストール・リーディング」と称して,1冊のノートに本をメモして落としていくことにより,確実に記憶に残して自分のものにしていく方法が記載されています。
私も,この本を読んでからは,読んだ本をきちんと1冊のノートにチェックして,頭の中に「インストール」するように心がけています。
ノートにメモを取っていくことは以外と面倒な作業ですが,確実に自分の頭の中に知識が残りますし,それも漠然としたものではなく具体的に残せるので,とてもよい方法だと思っています。

ところで,この本を読み始めたとき,私が昔読んだ「あいまいな日本の私」という大江健三郎さんの本の1節を思い出しました。

大江健三郎さんは,子供のころ読書にハマって,近所の公民館の図書室にあるすべての本を2年間かけて読破したそうです。
そのことが嬉しくて,家に帰ってお母様に自慢をしましたが,大江健三郎さんのお母様は,自分の息子をほめることはありませんでした。
お母様は,大江健三郎さんを図書室へ連れて行き,適当に本を取り出してその中の1節を読むと,「この続きはどうなったのか,言ってごらん。」と次々に質問したそうです。

大江健三郎さんは,その10個の質問のうち3つしか答えられませんでした。
するとお母様は,「あなたは本をどういう目的で読むのか,それは時間をつぶすためなのか。」「1ページ読んですぐ忘れるなら,それは自分の忘れる能力を訓練するためか」と言われたそうです。

その後,大江健三郎さんは,この言葉により本の読み方が変わったと述懐されています。
「『本はこのように読まなければいけない。』という気持ちを持ち,読書後はカードをとってできるだけ記憶するようにした。」「それが私にとっていまに続く勉強の基本になった。」と。

当時,母のこの言葉が偉大なノーベル賞作家を生み出したんだなあと思って関心したものの,本の読み方を変えることはなかった私・・・。

インストール・リーディングを学んだことを機に,今後は読書したものをできるだけ頭の中に残すよう心がけたいと思っています。

数十年後,私もノーベル賞作家になって,このブログが大々的に紹介されたりして(もちろん冗談です。)。

投稿者 吉岡 康博 | 2009年2月 8日 17:35

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吉岡 康博(よしおか やすひろ)
大阪弁護士会所属

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