ある証券会社の信念
「いちよし証券」という中堅の証券会社があるのですが,いちよし証券のウェブサイトに以下のような記載がありました。
『公募仕組債は取り扱いません。
一般的に公募仕組債はお客様に商品の内容、仕組み、リスク等をわかりやすく説明(通貨オプションを利用した仕組みやオプションの価格算定方式、また販売による手数料等は個人のお客様に説明しきれない商品)することかが難しい商品です。また、ある一定の水準を割り込まないと判断した上で購入した為替(株価)等の水準が、一定水準を割り込んだ場合も投資方針を変えずに持続するメリットが個人のお客様にはそぐわないと判断したからです。』
素晴らしい経営判断だと思います。
一般的に,公募仕組債は販売手数料が高額で,勧誘する証券会社のモチベーションの高い商品であると言われています。
しかし,これまでに幾度も投資家側が民事訴訟で主張してきたとおり,商品の仕組みやリスクを分かりやすく説明し,理解させる(特に個人の投資家に理解させる)のが難しい商品です。
しかも,損失が発生した場合の損失額が大きく,またその場合に仕組債を保有し続けるべきか,売却するかの判断も大変難しいです。
(私もそのような相談を受けて非常に困ることがあります。)
そのようなことから,いちよし証券では,公募仕組債を取り扱わないという社内基準を定めたとのことです。
顧客目線に立った経営方針,これこそが本来の証券会社のあるべき姿ではないかと思います。
いちよし証券はそれ以外にも「不適格債を取り扱わない。」「私募ファンドを取り扱わない。」「先物,オプションは勧誘しない。」などといった顧客目線の経営方針を立てています。
↓↓↓ いちよし証券のウェブサイトです。↓↓↓
投稿者 吉岡 康博 | 2018年2月 2日 20:32