吉岡さんの弁護士日記

なにわ総合法律事務所の弁護士 吉岡 康博がつづる弁護士日記

仕組債・デリバティブの勉強会

今日は,いつもお世話になっている太平洋法律事務所と合同で仕組債・デリバティブの勉強会をしました。

内容は,仕組債・デリバティブに関する金融庁の監督指針や証券取引等監視委員会の検査マニュアル,日本証券業協会の自主規制の確認とこれまでの裁判例の整理です。

監督指針や検査マニュアルなどをよく調べてみると,10年以上前からデリバティブ取引についてのトラブルが懸念されており,証券会社や銀行が顧客に最悪のシナリオを前提とした損失をきちんと顧客に説明することが求められていたことが分かります。
たとえば,銀行に関しては,このような事項が検査時のチェック項目になっています。
「デリバティブ取引に関して,取引経験が浅い顧客にデリバティブ商品を販売する場合には,その商品内容やリスクについて,例示等(最良のシナリオのものだけではなく,最悪のシナリオを想定した想定最大損失額を含む。)も入れ,具体的に分かりやすい形で解説した書面を交付し説明しているか。」

平成23年になって,証券会社が販売する仕組債についても同様の説明が要求されることに改訂されるのですが,やはりかなりのトラブルがあったことが原因となっているものと思われます。

また,裁判例の整理では,仕組債やデリバティブ取引に関する訴訟についての主張・立証のポイントを押さえることができました。私が担当しているのと同種の仕組債について,先行して訴訟をしている弁護士の記録を元に,被告側がどんな主張をしてきているのかを押さえておけば,将棋のように数手先を読むことができます。

普段なかなか勉強できないことを,半日かけてじっくり取り組めたので,かなり有意義でした。

今もいくつか証券関係のトラブルに関する訴訟を行っていますので,さっそく勉強の成果を生かしていきたいと思っています。

投稿者 吉岡 康博 | 2013年1月10日 20:14

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吉岡 康博(よしおか やすひろ)
大阪弁護士会所属

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