貸金ブラックリストについて
本日,私が所属している大阪弁護士会消費者保護委員会(第6部会)で信用情報とブラックリストに関する勉強会がありました。
巷では,よく「ブラックリスト」と呼ばれていますが,実は,「ブラックリスト」というリストはなく,金融機関が作った信用情報機関に登録される取引状況のうち,事故情報が載ってしまうことをこのようにいうのです。
勉強会では,信用情報機関(日本信用情報機構,シー・アイ・シー,全国銀行協会)がどのように情報を登録し,どのような形で情報が残るのかを,消費者金融問題に詳しい第5部会の先生に教えてもらいました。
信用情報機関のことはある程度分かっているつもりだったのですが,事故情報の中にも「延滞情報」「債務整理情報」「破産申立情報」などがあり,それぞれについて,登録情報が残る期間が定められていることは初めて知りました。
中でも,ちょっとビックリしてしまったのは,残債務があるとして任意整理に着手したところ,利息制限法に基づく引き直し計算をしたら過払い金があると分かったケースです。この場合は,消費者が延滞をした時点で一旦「延滞情報」が登録されるのですが,その後貸金業者との間で過払い金の金額・返還時期について合意しない限り,延滞情報は残ったままになるのです。
消費者と貸金業者との間で,過払い金返還の条件が折り合わず,かといって消費者が訴訟に踏み切らない場合は,実質的には借金が一銭も残っていないのに,延滞情報が解消されないことがあるんです。
今のところ,私の依頼者にはそのような人はいないのですが,弁護士としてヒヤリとしてしまいました。
とにかく,今日の勉強会は意外と分かっていなかった「ブラックリスト」のことを詳しく理解できて,本当にためになりました。
投稿者 吉岡 康博 | 2014年3月 7日 20:21