吉岡さんの弁護士日記

なにわ総合法律事務所の弁護士 吉岡 康博がつづる弁護士日記

通貨オプション取引

最近,立て続けに通貨オプション取引の相談を受けました。

いずれも,相談者は法人で,本業が別にあるけれど,取引先銀行の法人営業部に勧められて通貨オプション取引を始めたというものです。

中には,貿易をしている会社で,為替リスクをヘッジする必要はあるものの,実需を遙かに超える通貨オプション取引を銀行の営業マンから勧められて始めたという方もいらっしゃいました。

通貨オプションの詳しい説明は割愛しますが,要は,円高が継続すると,毎年決められた回数,為替レートにより一定の金額を銀行に支払わなければなりません。
時には,数千万円といった金額になることも。
そのために,他の金融機関から借入れを起こして,支払いに充てることもままあります。

この支払いを逃れるために,解約することもできるのですが,そのときは,目の玉が飛び出るほどの違約金を請求されるため,結局,不利な取引を続けなければなりません。

取引開始当時,どの程度円高が予想されたのかは分かりませんが,いずれにせよ,一企業の実需を遙かにしのぐ量の通貨オプション取引を勧誘するということ自体,尋常なことではないと思います。

万一,こういった企業が破綻した場合,通貨オプションを大量に勧誘・販売した銀行側の責任が全く問われないということでもよいのでしょうか。

 

投稿者 吉岡 康博 | 2010年10月24日 18:12

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吉岡 康博(よしおか やすひろ)
大阪弁護士会所属

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