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仕組債

現在,金融機関で「仕組債」が盛んに販売されています。仕組債とは、オプションやスワップなどの金融デリバティブが組み込まれた債券の総称です。

例えば,年5~7%程度の利息(クーポン)が得られる一方で、元本については、満期(1年程度に設定されることが多い。)までに、日経平均株価が当初の購入時より一度も10%~20%以上下がること(ノックイン)がなければ,元本の全額償還されるが、一度でもノックインすれば日経平均と連動した額で償還する(その後日経平均が上昇しても元本以上の値上がり益は得られない。)といったものです(日経平均リンク債といいます。)。

その他にも,円高になるか円安になるかにより、償還金の通貨が外貨になる(その場合,元本は大きく目減りする。)ものや,利息が為替に連動しており,円安が進めば利息を享受でき,受取利息が一定額以上になれば早期償還されるが,円高が進めば利息を一銭も受取れないまま最大で30年間償還を受けられず,投資金が長期間凍結されるものもあります。

仕組債を発行しているのは,海外の投資銀行であることが多く、これを引き受けるのは日本の証券会社ですが、銀行に販売を委託しているケースもあります。

これらの仕組債はクーポンが比較的高く設定されているものの,それは,投資家が被るリスクの対価となっており,十分にリスクを認識しないまま,営業マンの「遅くとも1年半で早期償還されますよ。」「そこまで大きく日経平均が下がることはないので元本はちゃんと帰ってきますよ。」といったセールストークによって購入してしまうことが多い商品です。

とりわけ,為替や日経平均といった条件が投資家に不利な方向に働いた場合に投資家が被る損失は,投資家が受取るクーポンよりはるかに高く設定されています(利益限定・損失無限定といっても過言ではありません。)。 仕組債に組み込まれている金融デリバティブには様々なものがありますが,一般に販売されている仕組債に関して言えば,投資家が為替や日経平均の下落リスクを引受けさせられていることが圧倒的に多く,言わば,投資家は知らないうちに保険会社の立場に立たされていることになります。

また,仕組債は,その組成の過程で様々な業者がクーポンの一部を手数料として取ってしまうため,最終的に投資家が受取るクーポンと引受けるリスクとが見合っているのかという問題もあります。

そして,これらの仕組債は,通常の社債などと異なり,運用期間の途中で市場で売却することができず,中途解約も不可能か著しく制限されているため,投資家は,長期間極めて不安定な立場に置かれることになります。

こんな点が違法行為!

■適合性原則違反
仕組債は,比較的高齢の方に勧誘・販売されることも多く,投資資金の性質が老後資金である場合もあります。一方で,仕組債の中には元本を大きく損なうリスクを有するものもあり,そのような商品が一般消費者に適合するのかという適合性原則の問題があります。
■説明義務違反
これらの仕組債は,クーポンが他の債券と比較して高額であることが多く,一般投資家はその点に目が行きがちである一方で,組み込まれた金融デリバティブには大きなリスクがあることから,そのクーポンがリスクの対価であり,リスクに比例してクーポンも大きくなることを含めて,投資家に実感を持ってリスクを理解させるだけの説明義務が尽くされたかが問題となります。
■断定的判断の提供
勧誘の現場では,「1年か,遅くとも1年半後には早期償還されるので大丈夫。」「日経平均がこの1年で20%も下落することはない。」といった言葉が用いられることが多いのですが,これらの文言は,投資判断を歪めるもので断定的判断の提供として禁止されています(ただし,実際の裁判では言った言わないの水掛け論となることが少なくありません。)。

解決法

証券会社や銀行が相手方の場合は,損失補填禁止(金融商品取引法第39条)との関係で,示談による解決は極めて困難です。
FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)のような仲裁機関を利用することも考えられますが,終局的な紛争解決は,民事裁判に委ねるケースが圧倒的に多いと思われます。
裁判では,過失相殺という法理により,消費者側にも一定の自己負担を求められることがあるため,金融機関側の違法性を認めさせること,消費者側の過失相殺をできるだけ少なくすることがポイントとなります。そのためにも,投資被害に関する経験のある弁護士に依頼することが重要です。

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吉岡さんの弁護士日記

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